エンジニアの数
before: 2人
after: 80人前後
ゲーム開発素人集団がゲーム作り始めて
いつのまにか40倍の組織になっていた話
武藤亮太 / DMM.comラボ ゲーム開発本部 第二システム部 チーフ
谷口晃平 / DMM.comラボ ゲーム開発本部 第三システム部 マネージャー
・初めてのゲーム作りからヒットするまで
・組織の拡大で起こったこと
DMM上にゲームのプラットフォームがあり、その上で様々なゲームが動いており、各ゲームの中にも種類がある
内製…社内の人員で、ゲーム開発と運営を行う
開発依頼…協力会社と共に、ゲーム開発と運営を行う
外部運営…外部のゲームにプラットフォームのみを提供する
今回は内製のおはなし
そもそもなぜ内製ゲームチームを作ったか?
→自社で作ったらもっと良いものができるんじゃないかと思った
【社内公募で集まった初期メンバー】
・動画事業部ディレクター
・社長室
・Webエンジニア
・Webデザイナー
・新卒2年目のプログラマー
→全員スマホゲーム開発は未経験
【当時のゲームの主流】
iOSのUI WebViewにHTMLを表示するタイプ
→Webの技術なら負けない!自分たちの技術で作れそう
【ゲームの成果物評価基準】
おもしろいかどうか、で評価される。
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Web:行程を追って進める
ゲーム:開発→評価→修正の繰り返し
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紆余曲折しながらもゲームは完成!
…したと思っていた。
【Apple審査の壁】
Apple「絵の露出度が高いです」
DMM「修正しました」
Apple「タイトルが卑猥な表現です」
DMM「日本では普通の表現です」
Apple「…」
Appleの偉い人「ダメです。作り直してください。」
→ロゴも全て作り直して無事審査通過
【無事リリース】
・開発9ヶ月の予定→1年6ヶ月
・ユーザーからのありがたい声
・予想以上の売り上げ
【採用の罠】
ミッション:ライン拡大
→人が足りない!採用だ!
→順調に人が増えて来た
→問題発生
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「エンジニアだし技術力を見て採用しよう」
→結果:良くなかった
・ゲーム作りへの熱意が少なかった
・会社へのコミット意識が少なかった
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「じゃあゲーム作りへの熱意を見て採用しよう」
→結果:良くなかった
・チームへのコミット<自分のこだわり
・リーダー意識の欠如
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ではどういう人を採用するべきか?
→価値観のあった人
どうやって価値観の合う人を取ったか?
→話すしかない
“価値観を見る"
【職種の差】
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エンジニア:
PHP / MYSQL / サーバー / HTML / CSS / JS / etc...
「A社では○○までやっていた」
デザイナー:
UI作成 / イラスト作成
「B社では○○も××もやっていた」
ディレクター:
ディレクション / プランニング / シナリオ / マスタ作成 / etc...
「C社では○○までやらなかった」
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→合意をチーム内で取れていない
→揉める
じゃあ合意を取ればいいのでは?
→一部の人は取れても、新しく入る合意取れていない人達はどんどん増える
どう解決したか?
→やること、やらないことまでを明記した体制図を作った。
“合意を伝える"
【曖昧耐性】
「前の会社ではここまで決まってたけど、ここでは決まってない!おかしくないですか?」
→組織の制度・体制が不十分
人の増える速度 > 組織の制度・規則強化
“曖昧耐性”
→曖昧なものを曖昧なままにしておけるかどうか
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「前の会社ではここまで決まってたけど、ここでは決まってない!おかしくないですか?」
→曖昧耐性:低
「この部分は今気にしても仕方ない。目の前の仕事に集中しよう!」
→曖昧耐性:適切
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曖昧耐性が高ければいいのか?
→何も決めなくても気にしない、
問題意識を持たない可能性がある
適切な曖昧耐性を持った人が揃えば万事OK?
→今はこのままで仕方ないと理解してくれているだけ。
急成長している組織では、直さなければいけないものは常にある。
これらをどうキャッチアップし、改善していくか
↓
個人面談
1ヶ月に1回:30分
個人面談×80人:40時間
面談結果の共有(2時間×月4回):8時間
→毎月48時間、メンバーと向き合うことに時間を掛ける
“メンバーは適切な曖昧耐性を。マネージャーはメンバーと向き合おう。”
【根付かないクレド】
人が増えてくると価値観が違う人も入って来る。
採用の精度は100%にはならない。
→じゃあどうするか?
「クレド」
信条を表すラテン語。
最近の企業では会社の理念、行動方針などとして使われることが多い。
クレドを作ればシステム部の価値観、方向性の一致ができるはず!
社訓レベルの全体的な目標を作っても、
ほぼ全員が一ヶ月後には忘れていた。
→どうしたか?
クレド→「チーム内推奨文化」と名称を変更し
チーム単位で推奨文化を作った。
社訓だと実感がないが、チーム内ルールなら実感できる
自分達の合意で作ったので守る意識もでてくる
“組織が大きくなってもチーム単位で考える”
【まとめ】
"価値観を大切に"